今日は、8月最後の演奏の仕事でした。
ワインレッドのドレスに、新しく購入したレースのケープを合わせて演奏しました。
8月、夏の終わりの演奏会。
次回の演奏の仕事は9月3日です。
次回からは、少しずつ秋の訪れを感じられる曲を演奏します。
そのため、夏の曲を演奏するのは、今年は今日で最後となりました。
季節の曲を演奏していると、一年が過ぎていくのを、音楽を通して感じます。
夏の曲に「また来年」と心の中で伝えながら、今日の演奏を終えました。
50歳で東京へ。演奏の仕事も生徒もゼロでした
2018年4月、私は50歳で東京へ来ました。
当時、東京でのフルート演奏の仕事はゼロ。
生徒もゼロでした。
それまで一緒に音楽活動をしていた娘たちも家を出て、一人で演奏の仕事を探さなければならなくなりました。
東京には、演奏の仕事につながる知り合いもほとんどいませんでした。
それでも、
「もう一度、演奏の仕事を始めたい」
という思いで、がむしゃらに営業を続けました。
連絡をしてもお返事がなかったり、断られたりすることもありました。
それでも諦めず、一つひとつ、自分で演奏できる場所を探していきました。
父の介護を続けながら、演奏先を探しました
当時は、父の介護も続けていました。
介護をしながら営業を続け、少しずつ演奏の仕事が入るようになりました。
「これから東京でも、演奏活動を広げていけるかもしれない」
そう思い始めた矢先、コロナ禍になりました。
人が集まる演奏会は、次々と中止になりました。
高齢者施設へ伺うこともできなくなり、ようやく始まりかけた演奏活動が、また止まってしまいました。
それでも、演奏を諦めることはできませんでした。
演奏の仕事をオンラインへ切り替えました
直接会場へ伺えないのであれば、オンラインで演奏を届けよう。
そう考え、ライブ配信やオンライン演奏会へと活動を切り替えました。
画面越しであっても、音楽を楽しみに待ってくださる方がいました。
一緒に歌ってくださったり、手拍子をしてくださったり、画面の向こうからたくさんの拍手を送ってくださったりしました。
オンラインだからこそ、距離を越えてつながれる場所もあります。
コロナ禍が明けてからも、私の演奏の仕事は週に1回ほどのペースで続いています。
広島で演奏の仕事をしていた頃に比べれば、私自身が出演する回数は少なくなりました。
けれども今は、全国各地で「これから演奏の仕事を始めたい」という方々のサポートをしています。
これまでにサポートした方は、100名を超えました。
全国の受講生から演奏会の報告が届きます
今では受講生の方々から、毎日のように演奏活動についてのご連絡をいただきます。
「演奏会が決まりました」
「施設の皆様に喜んでいただけました」
「次回もお願いしたいと言っていただきました」
「初めて演奏料をいただくことができました」
そのような、うれしいご報告をたくさんいただいています。
もちろん、うれしいことばかりではありません。
- 営業してもお返事がない
- 演奏先とのやり取りに悩んでいる
- どのような曲を選べばよいのかわからない
- 演奏料をどのように伝えればよいのかわからない
そのようなお悩み相談もいただきます。
一人ひとりのお話を伺いながら、その方に合った演奏活動の形を一緒に考えています。
私自身がたくさん失敗し、悩みながら演奏の仕事をつくってきたからこそ、お伝えできることがあると思っています。
私が大好きだった小さなサロンコンサート
私は、50名様ほどが入る喫茶店やレストラン、サロンなどで開催する、小さなコンサートが大好きでした。
お客様にコーヒーや紅茶、ケーキ、お食事などを楽しんでいただきながら、クラシックの曲や映画音楽、季節の唱歌などを演奏します。
演奏者とお客様との距離が近く、一人ひとりのお顔が見える空間。
音楽を聴きながら笑顔になってくださる方。
懐かしい歌を口ずさんでくださる方。
演奏後に、そっと感想を伝えに来てくださる方。
大きなホールとはまた違う、温かく穏やかな時間が、私は本当に好きでした。
今は家庭の事情もあり、以前のようなサロンコンサートを開催することは難しくなりました。
少し寂しい気持ちもあります。
それでも今は、私自身も週に1回ほど演奏活動を続けながら、これから演奏の仕事を始めたい方々をサポートできています。
それを、とても幸せに思っています。
今の自分には、これでいい
自分がたくさん演奏する時期もあれば、誰かの演奏活動を支える時期もあるのだと思います。
活動の形は変わっても、
「音楽を必要としてくださる方のもとへ演奏を届けたい」
という思いは変わりません。
私自身が演奏をお届けすること。
受講生の方々が、全国各地で演奏を届けられるようにお手伝いすること。
今は、その両方が私の大切な仕事です。
50歳で東京へ来たときには、演奏の仕事も生徒もゼロでした。
あの頃の私には、今の姿は想像できなかったと思います。
決して順調な道のりではありませんでした。
それでも、一つずつ続けてきたからこそ、今があります。
今日、8月最後の演奏を無事に終えられたこと。
次の演奏の予定が決まっていること。
そして、全国で演奏活動に挑戦する方々のお手伝いができること。
今の自分には、これでいいのだと思います。
そして、いつかまた。
お客様にコーヒーや紅茶、ケーキなどを楽しんでいただきながら、季節の音楽をゆっくりとお届けする、小さなサロンコンサートができたらいいなと思っています。
その日を楽しみにしながら、これからも私らしい形で、演奏活動を続けていきます。
演奏の仕事を始めてみたい方へ
「演奏する場所を見つけたいけれど、何から始めればよいかわからない」
「自分の演奏でも、仕事として依頼していただけるのだろうか」
そのように感じている方へ、私自身の経験をもとに、演奏活動の始め方をお伝えしています。
音楽大学を卒業していなくても、華やかな演奏歴がなくても、地域や高齢者施設などで、自分の音楽を喜んでいただける場所はあります。
最初から大きな舞台を目指す必要はありません。
まずは月に1回、身近な場所で演奏することから始めてみませんか。
演奏活動実践スクールでは、次のような内容を、一人ひとりの状況に合わせてサポートしています。
- 演奏先の探し方
- 施設へのご案内方法
- 演奏プログラムの作り方
- 演奏料の決め方
- 継続して依頼していただくための方法
これから演奏の仕事を始めたい方との、新しいご縁を楽しみにしています。
フルート奏者
演奏活動実践スクール代表
森口九喜子