近所でできる演奏活動の作り方を伝える見出しと、ノートにメモを取る女性の室内写真

音楽教室の生徒数に左右されない収入を|ご近所で始める演奏活動の作り方

音楽教室の生徒数に左右されない収入を|ご近所で始める演奏活動の作り方

 

音楽教室を続けていると、生徒数によって毎月の収入が変わることがあります。

新しい生徒が入会してくださる月もあれば、進学、転勤、家庭の事情などで退会が重なる月もあります。

講師がどれほど丁寧に指導していても、生徒数を完全に自分でコントロールすることはできません。

「空いている時間を、別の音楽の仕事に活用できないだろうか」

「音楽教室以外にも、収入の柱を持ちたい」

そう考えている方に知っていただきたいのが、ご近所の高齢者施設や地域の会場で行う演奏活動です。

演奏活動は、一部の有名な演奏家だけができるものではありません。

自分が暮らす地域で、必要としてくださる方を探し、一つずつ信頼を積み重ねていくことで、50代、60代からでも始められます。

音楽教室の空き時間を演奏の仕事に変える

高齢者施設のレクリエーションは、平日の午後に行われることが多くあります。

そのため、夕方から音楽教室のレッスンが始まる先生にとっては、比較的活動しやすい時間帯です。

たとえば、午後2時から30分または45分の演奏を行い、終了後に自宅や教室へ戻るという形であれば、通常のレッスンを大きく変更せずに活動できる場合があります。

遠方の会場まで出かける必要もありません。

まずは、自宅や教室から無理なく通える範囲にある施設を探します。

ご近所であれば、

・移動時間を抑えられる
・交通費の負担が少ない
・定期的に訪問しやすい
・施設からも依頼しやすい
・地域での紹介につながりやすい

という利点があります。

音楽教室を辞めて演奏活動を始めるのではありません。

教室を続けながら、レッスンのない時間に、もう一つの音楽の仕事を少しずつ育てていく考え方です。

最初の一歩は「1日1施設への連絡」

演奏の仕事を増やすために、最初から何十件もの施設へ電話をする必要はありません。

まずは、

「1日1施設へ連絡する」

という小さな目標から始めます。

1日1件であれば、施設を調べる時間と電話の時間を合わせても、大きな負担になりにくいでしょう。

平日だけ続ければ、1か月で約20件。

毎日1件続ければ、1か月で約30件の施設へ連絡できます。

すべての施設から、すぐに演奏依頼をいただけるわけではありません。

しかし、電話をしなければ、演奏者を探している施設に自分の存在を知っていただくこともできません。

20件、30件と連絡する中で、1施設からでも演奏のご依頼をいただければ、それは立派な演奏の仕事になります。

1回の演奏が次の依頼につながる

最初の演奏が決まったら、その1回を大切にします。

施設で喜んでいただける演奏会を行うことで、

・同じ施設からのリピート依頼
・季節行事での演奏依頼
・系列施設への紹介
・担当者様から別施設への紹介
・地域での口コミ

につながる可能性があります。

最初は1回だけのご依頼でも、演奏後に、

「来月もお願いできますか」

「次は敬老の日に来ていただけますか」

「系列の施設にも紹介してよいですか」

とお声をかけていただくことがあります。

演奏活動を広げるために大切なのは、新しい施設を探し続けることだけではありません。

一度いただいたご縁を大切にし、次回も依頼していただける演奏会を作ることです。

季節に合わせたコンサートは提案しやすい

施設へ演奏をご提案するときに、「演奏会をしませんか」と伝えるだけでは、開催時期や内容をイメージしていただきにくいことがあります。

そこで役立つのが、季節に合わせたコンサート名です。

たとえば、次のような企画が考えられます。

・1月 新春コンサート
・2月 節分コンサート
・3月 ひな祭りコンサート
・4月 春の唱歌コンサート
・5月 こいのぼり・新緑コンサート
・6月 雨の日に楽しむ室内コンサート
・7月 七夕コンサート
・8月 夏祭りコンサート
・9月 敬老の日・名月コンサート
・10月 秋の名曲コンサート
・11月 文化祭コンサート
・12月 クリスマスコンサート

季節の行事と結びつけることで、施設のご担当者様にも「その時期に開催する理由」が伝わります。

年間を通して企画を準備しておけば、演奏後に次の季節のご提案もしやすくなります。

たとえば、春のコンサートが終わった後に、

「次回は七夕に合わせた曲をご用意できます」

とお伝えすれば、継続依頼への自然なきっかけになります。

「何でもできます」より内容を分かりやすくする

演奏の仕事を始めるときは、できることをすべて伝えたくなるものです。

しかし、

「クラシックも演奏できます」

「唱歌も昭和歌謡も対応できます」

「ご希望があれば何でも演奏します」

という説明だけでは、実際の演奏会の様子を想像していただきにくいことがあります。

施設へ提案するときは、内容を具体的にします。

たとえば、

「季節の唱歌と昭和歌謡を中心にした、皆様と一緒に歌える30分の参加型コンサートです」

と伝えれば、演奏会の対象者、曲の雰囲気、時間、参加方法が分かります。

一方で、

「クラシックの名曲を落ち着いて楽しんでいただく鑑賞型コンサート」

のように、専門性を明確にする方法もあります。

大切なのは、できることを数多く並べることではありません。

「どのような方に、どのような時間を届けられるのか」を分かりやすくすることです。

演奏に参加できる工夫を加える

高齢者施設では、ただ演奏を聴いていただくだけでなく、ご利用者様が無理なく参加できる内容も喜ばれます。

たとえば、

・一緒に歌っていただく
・曲に合わせて手拍子をしていただく
・簡単なリズムを楽しんでいただく
・季節や曲にまつわるお話をする
・楽器の特徴や音色を紹介する

といった方法があります。

すべての曲を参加型にする必要はありません。

静かに聴いていただく曲と、一緒に楽しんでいただく曲を組み合わせることで、演奏会に変化が生まれます。

施設のご利用者様の体調や年齢層によっては、鑑賞型の演奏会が適している場合もあります。

演奏者側で内容を決めつけるのではなく、事前に施設のご希望を伺うことが大切です。

演奏内容は施設に選んでいただく

演奏者には、それぞれ演奏したい曲や得意な曲があります。

しかし、施設での演奏会では、演奏者がやりたいことだけを優先するのではなく、施設のご希望に合わせて内容を整える必要があります。

事前に確認したいのは、次のような内容です。

・ご利用者様の年齢層
・参加予定人数
・演奏会の目的
・一緒に歌う内容を希望されるか
・静かに聴く内容を希望されるか
・季節行事として行うのか
・演奏時間は何分程度か
・会場に使用できる設備があるか

複数の演奏プランを用意し、施設に選んでいただく方法もおすすめです。

たとえば、

1.唱歌と昭和歌謡の参加型コンサート
2.クラシックと映画音楽の鑑賞型コンサート
3.季節の曲を中心にした演奏と歌のコンサート

というように、選択肢を示します。

ご担当者様にとっても、ゼロから内容を考えるより、用意された企画から選ぶ方が負担を減らせます。

主役は演奏者ではなくお客様

施設演奏で忘れてはならないのは、演奏会の主役は演奏者ではなく、聴いてくださるお客様だということです。

演奏者の技術や個性を披露するだけの場ではありません。

・知っている曲を聴いて安心する
・懐かしい曲から昔の記憶がよみがえる
・周りの方と一緒に歌う
・音楽を通して季節を感じる
・日常とは少し違う時間を楽しむ

そのような時間を届けることが、施設演奏の価値です。

「自分が何を演奏したいか」だけではなく、

「お客様にどのような気持ちになっていただきたいか」

を考えてプログラムを作ることが、継続依頼につながります。

ご近所だからこそ信頼していただける

地域で活動する演奏者には、大きな強みがあります。

施設にとって、近くに住んでいる演奏者は、

・移動のトラブルが起こりにくい
・定期的に依頼しやすい
・急な相談をしやすい
・地域の話題を共有しやすい
・長く関係を築きやすい

という安心感があります。

資料を郵送するだけでなく、可能であれば事前にご挨拶へ伺ったり、近隣の施設に直接資料を届けたりすることも信頼につながります。

目指したいのは、遠くから来る特別な演奏家ではなく、

「何か音楽の企画をしたいときに、気軽に相談できる地域の音楽家」

になることです。

無理のない料金から実績を作る

演奏活動を継続するためには、演奏者にも施設にも無理のない料金を設定することが大切です。

活動を始めたばかりの時期は、まず地域で実績を作ることを優先し、内容と時間が分かりやすい料金を提示します。

たとえば、

・30分 5,500円
・45分 7,700円
・60分 11,000円

という形で、演奏時間ごとに料金を決めておくと、施設側も検討しやすくなります。

交通費を料金に含める場合は、そのことも資料に明記します。

料金を安くすれば必ず依頼が増えるわけではありません。

演奏内容、準備、移動時間、施設の予算、ご自身の活動状況を考えながら、継続できる料金を決める必要があります。

最初の数施設では、体験演奏やボランティア演奏を行い、写真やご感想などの実績を作る方法もあります。

ただし、無償演奏を続けることが目的にならないよう、次の有償依頼につなげる流れを考えておきましょう。

1日1件を続けるために記録を残す

架電営業は、電話をかけて終わりではありません。

施設ごとの記録を残しておくことが大切です。

ノートや表には、次の項目を記録します。

・施設名
・所在地
・電話番号
・電話をした日
・担当者様のお名前
・お話しした内容
・資料送付の有無
・改めて連絡する時期
・次回行うこと

「今は予定がありません」と言われた施設でも、半年後や1年後には状況が変わっている可能性があります。

担当者様が変わったり、以前依頼していた演奏者が活動を終了したり、新しい行事が始まったりすることもあります。

一度お断りいただいたからといって、その施設とのご縁が完全になくなったわけではありません。

記録を残し、時期を空けて丁寧にご連絡することで、演奏依頼につながる場合があります。

1年後の成果は今日の小さな行動から生まれる

演奏活動は、最初から大きな成果が出るとは限りません。

電話をしても担当者様につながらない日があります。

資料を送っても、お返事をいただけないことがあります。

演奏を提案しても、施設の予算や時期が合わないこともあります。

それでも、1日1施設への連絡を続ければ、1年間では多くの施設に自分の活動を知っていただけます。

その中から、

・最初の演奏依頼
・次回のリピート依頼
・季節行事のご相談
・系列施設への紹介

が少しずつ生まれます。

大切なのは、一度に無理をすることではありません。

自分の体調や本業に合わせて、続けられる行動を決めることです。

今日1施設を調べる。

明日1本の電話をかける。

今週1ページの演奏者資料を整える。

その積み重ねが、生徒数だけに左右されない新しい収入の柱につながっていきます。

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完璧な計画を立てる必要はありません。

まずは、今の自分にできる小さな一歩を見つけてみてください。

 

 

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などを、実際の活動経験をもとにまとめています。

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という方は、ぜひお役立てください。

生徒数は、自分の努力だけで完全に決められるものではありません。

だからこそ、音楽教室を大切に続けながら、教室以外にも音楽を届ける場所を持つことが、これからの安心につながります。

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森口 九喜子
演奏活動サポートを行っている、森口九喜子です。 30年以上にわたり、 フルート演奏・フルート講師として活動してきました。 その中で、演奏の仕事そのものにやりがいを感じ、 次第に「演奏を仕事として続けたい方」の ご相談を受けるようになりました。 このブログでは、 本業がありながら演奏活動を続けている方や、 有償演奏について悩んでいる方に向けて、 ・演奏の仕事の考え方 ・現場でよくある悩み ・無理のない続け方 などを、実際の経験をもとにまとめています。 必要な情報を、できるだけ分かりやすく整理し、 安心して次の一歩を考えられる場になればと思っています。