Woman on a phone at a desk with a violin, writing in a notebook; warm home office setting with soft Japanese text promotional banner on the left.

高齢者施設への演奏営業は1日1件から|地域で選ばれる演奏活動の始め方

高齢者施設への演奏営業は1日1件から|地域で選ばれる演奏活動の始め方

「地域の高齢者施設で演奏してみたい」

「音楽教室のレッスンがない時間を、演奏の仕事につなげたい」

そう思っていても、実際に施設へ連絡するとなると、最初の一歩がなかなか踏み出せない方も多いのではないでしょうか。

営業という言葉を聞くと、

「たくさん電話をしなければならない」

「断られても、すぐに次へ進まなければならない」

というイメージを持つかもしれません。

しかし、最初から無理をする必要はありません。

まずは、

「1日1施設へ電話してみる」

そこからでも、演奏活動は十分に始められます。

今回は、東京都在住のバイオリン奏者の方に行ったサポートをもとに、地域で演奏活動を始めるための施設選びや、演奏者資料の作り方、電話営業の進め方についてお伝えします。

音楽教室の空き時間を演奏活動に活用したい

今回ご相談いただいたのは、東京都内で音楽教室を運営されているバイオリン奏者の方です。

ご相談内容は、

「音楽教室のレッスンが入っていない時間に、近隣地域で定期的に演奏活動をしていきたい」

というものでした。

楽器の指導を続けながら、教室以外にも音楽を届ける場所を持ちたいと考える方は少なくありません。

特に、高齢者施設での演奏は、平日の午後に実施されることが多いため、音楽教室のレッスンが始まる前の時間を活用できる場合があります。

自宅や教室から無理なく通える範囲で演奏活動ができれば、移動時間や交通費の負担も抑えられます。

地域の方に喜んでいただきながら、教室以外の収入の柱を少しずつ育てていくことも可能です。

最初に連絡する施設を絞り込む

演奏活動を始める際、地域にあるすべての施設へ、手当たり次第に電話をする必要はありません。

まずは、自分の演奏内容と相性がよい施設を絞り込むことが大切です。

今回の営業リストは、次の条件を中心に作成しました。

・有料老人ホーム
・定員50名以上
・介護付き有料老人ホームを優先

最初に介護付き有料老人ホームへご提案し、その後、住宅型有料老人ホームへ連絡を進めていく流れです。

施設の種類や規模によって、レクリエーションの実施状況や演奏依頼の考え方は異なります。

すべての施設へ同じように連絡するのではなく、優先順位を決めておくと、落ち着いて営業を進められます。

演奏者資料は「何でもできます」より特化型にする

演奏活動を始めたばかりの頃は、演奏者資料に、

「クラシックも演奏できます」

「唱歌や昭和歌謡にも対応できます」

「ご希望に合わせて、さまざまな演奏ができます」

と、できることを幅広く書きたくなるものです。

しかし、施設のご担当者様に内容を分かりやすく伝えるためには、「何でもできます」と書くよりも、演奏内容を絞った方が効果的です。

今回のバイオリン奏者の方には、次の内容を中心に資料を整えることをご提案しました。

・専門楽器をバイオリンに絞る
・季節を感じられる唱歌を入れる
・1970年代頃までの昭和歌謡を取り入れる
・具体的な演奏プログラム例を掲載する

施設のご担当者様が演奏者資料を見たときに、

「どのような演奏会になるのか」

「ご利用者様に楽しんでいただけそうか」

ということを、すぐに想像できるようにすることが大切です。

楽器演奏を中心にした企画も選択肢になる

ピアノ伴奏者との共演が難しい場合、伴奏音源を使用して演奏する方法もあります。

その場合、「歌を中心にした演奏会」よりも、「楽器演奏を中心にしたコンサート」としてご提案した方が、演奏者の魅力が伝わりやすいことがあります。

たとえば、バイオリンであれば、

・季節の唱歌
・懐かしい昭和歌謡
・映画音楽
・親しみやすいクラシック曲

などを組み合わせることで、施設のご利用者様にも楽しんでいただけるプログラムを作れます。

すべての曲を一緒に歌っていただく必要はありません。

演奏を聴いていただく曲と、皆様に参加していただく曲をバランスよく組み合わせることで、無理のない参加型演奏会になります。

電話営業は1日1施設から始める

営業というと、1日に何十件も電話をするイメージがあるかもしれません。

しかし、地域で演奏活動を始める場合は、最初から多くの施設へ連絡する必要はありません。

まずは、

「1日1施設へ電話する」

という目標で十分です。

施設への最初の電話は、5分程度で終わることもあります。

1日1件であれば、本業や家事の合間にも続けやすくなります。

大切なのは、一度にたくさん行うことではありません。

少ない件数でも、行動を止めずに積み重ねていくことです。

電話をする前に準備しておくもの

施設へ電話をする前に、次の3つを準備しておくと安心です。

・電話用のスクリプト
・営業記録用の大学ノート
・ボールペン

パソコンが使える方は、ExcelやGoogleスプレッドシートで管理してもよいでしょう。

ただし、パソコン操作に慣れていない場合は、無理にデジタルで管理する必要はありません。

大学ノートに記録する方法でも、十分に営業活動を進められます。

営業記録に残しておきたい項目

電話をした後は、次の内容を記録します。

・電話をした日時
・施設名
・担当者様のお名前
・お話しした内容
・資料送付の有無
・改めて連絡する時期
・次回行うこと

「担当者様が不在だった」

「今は演奏会を予定していない」

「資料を見てから検討する」

など、施設によってご回答はさまざまです。

その場ですぐに演奏が決まらなくても、記録を残しておけば、数か月後に改めて連絡できます。

営業記録は、演奏活動を継続していくための大切な財産になります。

一度断られても状況が変わることがある

施設や企業から断られたからといって、その場所とは今後一切ご縁がないとは限りません。

森口自身も、以前、

「フルート奏者はすでにいるので」

という理由で、同じ企業から3回以上お断りいただいた経験があります。

それでも、時期を空けて改めて連絡した結果、最終的にはレストランの演奏者として採用していただくことができました。

施設や企業の状況は、1年後、2年後には変わっていることがあります。

・担当者様が変わった
・以前の演奏者が活動を終了した
・新しいイベントが始まった
・ご利用者様から音楽の要望があった

このような変化が起こることもあります。

一度お断りいただいた施設にも、記録を残し、適切な時期に改めてご提案することが大切です。

地域で選ばれる演奏者になるために

地域で継続的に演奏活動をしていくために必要なのは、演奏技術だけではありません。

・丁寧に連絡すること
・約束を守ること
・施設のご希望を確認すること
・演奏後に感謝を伝えること
・活動を継続して発信すること

こうした積み重ねが、施設からの信頼につながります。

演奏活動は、無理をして遠くまで広げるものではありません。

まずは、自宅や教室の近くで、地域の方に喜んでいただける演奏を続けること。

その積み重ねが、次回のご依頼や別の施設からのご相談につながっていきます。

まずは今日、1施設を調べてみましょう

「高齢者施設へ電話するのは緊張する」

「まだ演奏者資料も完成していない」

という方は、今日すぐに電話をしなくても構いません。

まずは、ご自宅の近くにある高齢者施設を1か所調べてみてください。

そして、ノートに次の内容を書き出してみましょう。

・施設名
・所在地
・電話番号
・施設の種類
・定員数
・自宅からの所要時間

小さな準備を一つ行うだけでも、演奏活動は始まっています。

大切なのは、完璧に準備してから動くことではありません。

今できることから、一つずつ進めることです。

演奏で月5万円を目指す実践ワークBOOK

「地域で演奏活動を始めたいけれど、何から手をつければよいか分からない」

「自分の演奏を、どのように仕事につなげたらよいか整理したい」

という方へ、無料の実践ワークBOOKをご用意しています。

『演奏で月5万円を目指す 実践ワークBOOK』では、ご自身の経験や演奏内容を整理しながら、これからの活動につながる一歩を考えていただけます。

読むだけではなく、実際に書き込みながら進められるワーク形式です。

まずは、ご自身にできる演奏活動を整理するところから始めてみてください。

 

 

演奏活動の具体的な進め方を本で学びたい方へ

施設営業の方法や演奏者資料の作り方を、さらに詳しく知りたい方には、Kindle本『ご近所で!有償演奏一年生』をご用意しています。

本書では、

・高齢者施設での演奏活動の始め方
・施設への営業方法
・演奏者資料の作り方
・選ばれやすいプログラム構成
・高齢者施設で喜ばれる曲選び
・地域で継続的に活動するための考え方
・実際の演奏活動事例

などを、これから演奏活動を始める方にも分かりやすくご紹介しています。

「音楽教室以外の収入の柱を作りたい」

「自分の演奏を地域の方に届けたい」

「演奏を喜んでいただきながら、収入にもつなげたい」

という方は、ぜひお役立てください。

演奏活動は、特別な人だけができるものではありません。

1日1施設を調べること。

1本の電話をかけること。

演奏者資料を1ページ整えること。

その小さな積み重ねが、地域で必要とされる演奏者への第一歩になります。

author avatar
森口 九喜子
演奏活動サポートを行っている、森口九喜子です。 30年以上にわたり、 フルート演奏・フルート講師として活動してきました。 その中で、演奏の仕事そのものにやりがいを感じ、 次第に「演奏を仕事として続けたい方」の ご相談を受けるようになりました。 このブログでは、 本業がありながら演奏活動を続けている方や、 有償演奏について悩んでいる方に向けて、 ・演奏の仕事の考え方 ・現場でよくある悩み ・無理のない続け方 などを、実際の経験をもとにまとめています。 必要な情報を、できるだけ分かりやすく整理し、 安心して次の一歩を考えられる場になればと思っています。